8.9: 附:Henderson-Hasselbach式のリン酸緩衝系への応用

Henderson-Hasselbalch式

リン酸緩衝系への応用

Henderson-Hasselbalchの式から、血しょうでは、1価のリン酸イオン:2価のリン酸イオンの比が1:4であり、尿中では、10:1くらいであることがわかる。

リン酸緩衝系

H2PO4-(1価のリン酸イオン) ←→ H++HPO42-(2価のリン酸イオン)

は,血しょうでも尿細管液でも、化学的平衡に達している。すなわち、酸・塩基平衡に関して緩衝力がある。1価のリン酸イオン(H2PO4-)が酸性物質、2価のリン酸イオン(HPO42-)がアルカリ性物質なのである。
pH=6.8+log(HPO42-/H2PO4-)
が導かれる.血しょう中ではpH=7.4であるため、log4=0.6より、
(HPO42- /H2PO4-)=4となる。
尿中のpH=5.8くらいとすると、log(0.1)=-1より、
(HPO42- /H2PO4-)=0.1となる。

尿中の無機リン(後述)の濃度は、血中の約10倍である。濃度が濃くなり、しかも1価のリン酸イオンがほぼその全量を占めるため、多くのH+を遊離させない(緩衝した,pHを低下させない)状態で排泄できるわけである.1価のリン酸イオン(H2PO4-)が尿中の主な滴定酸であることを思い出そう。

注意!
臨床的に「リン」とよばれるシロモノとは?血中に存在するリンの70%はリン脂質であり、有機リンである。残る30%は無機リンであり、大部分がリン酸イオン(80%は2価のリン酸イオン)である。すなわち、「血中リン」とは2価のリン酸イオンを意味する。同様に「尿中リン」とは、1価のリン酸イオンのことである。
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