1.4.7.1: 乳酸の蓄積

解糖系が亢進しすぎると、乳酸が蓄積する

中等度の運動時における代謝の図です。安静時と比べて、嫌気的代謝も好気的代謝も亢進し、線が太くなっています。

 

電子伝達系は酵素が弱く、ある一定以上、反応速度を増大させることができません(図の管が細い)。そのため、電子伝達系に共役した酸化的リン酸化反応が短時間に大量のATPを供給することはできません。また、クレブス回路は水素を大量に生成するため、電子伝達系が亢進し得ない場合、同様に反応を亢進し得ません。

要するに、好気的代謝は「頭打ち」になりやすいのです。中等度の運動(上図)と比べて、高度な運動(下図)ではミトコンドリア内は同程度のレベルです。

解糖系は、酵素が強く、酸素なしで反応し得るため、電子伝達系が増大し得ない場合でも、亢進し、ATPを供給し得えます。中等度の運動(上図)と比べて、高度な運動になることにより、増大する反応は赤で示しています。

ただし、解糖系のみが亢進し、電子伝達系とクレブス回路とが亢進し得ない場合、水素とピルビン酸とが蓄積してしまいます。さらに、ピルビン酸と水素とが結合し、乳酸が生成されます。乳酸は細胞を障害し得るため、解糖系のみを長く亢進させることはできません。

 

チャレンジクイズ

1 ATPが短時間に大量に必要なときに急激に亢進する代謝経路は、主に解糖系 クレブス回路 電子伝達系(ならびに共役した酸化的リン酸化反応) β-酸化 である。

2 10 kmをジョギングするとき、解糖系は亢進 低下 し、クレブス回路、電子伝達系(ならびに共役した酸化的リン酸化反応)は低下 亢進 する。

3 激しい運動をするとき、中等度の運動と比べて、解糖系は低下し あまり変わらず(「頭打ち」となり) 著しく亢進し 、クレブス回路、電子伝達系(ならびに共役した酸化的リン酸化反応)はあまり変わらない(「頭打ち」となる) 著しく亢進する 低下する 

4 糖の嫌気的代謝が亢進し、好気的代謝が低下した状態では、主にケトン体 乳酸 ADP 脂肪酸 CO2 が細胞内に増加する。

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: ケトン体の蓄積

: 主な病的代謝