8.4.3: 尿細管でのH+の緩衝

尿細管に分泌されたH+は緩衝されます.すなわち,尿は酸性物質の量の割にはpHは低くない.緩衝される機序には大きく分けて二つある.

「糸球体からろ過される不揮発性酸」による緩衝

「糸球体からろ過される不揮発性酸」は尿細管中で緩衝剤として作用しています.たとえば,リン酸イオンは,血しょう中では,主に2価(HPO42-)であるが,尿細管中では,分泌されたH+を結合して主に1価(H2PO4-)です.

尿細管に分泌されたH+は緩衝されます.すなわち,尿は酸性物質の量の割にはpHは低くありません.緩衝される機序には大きく分けて二つあります.

アンモニア(NH3)による緩衝

 
アンモニア(NH3)は近位尿細管の細胞でグルタミンから生成されます.尿細管に分泌されたのち,H+を結合してアンモニウムイオン(NH4+)となるため,緩衝剤として作用しています.
2種類の緩衝作用をまとめた図
尿細管にはHCO3-が再吸収して生成したH+と分泌されたH+とがあり,量が増えています.また,「糸球体からろ過された不揮発性酸」にはある量のHが結合しています.「糸球体からろ過された不揮発性酸」は緩衝剤として作用し,結合しているH+が増えます(赤い四葉のクローバ中心の左側のH).また,増大したH+は尿細管から分泌されたNH3に緩衝され,アンモニウムイオン(NH4+)となります.
上記2ステップまとめの図
青い矢印は化学反応,黒い矢印は物質の移動を表します.
代謝産物を含む溶液,血しょう,糸球体,尿細管,尿までの流れを1つに集めた図です.

チャレンジクイズ

1 尿中の酸性物質のうち,酸の実体,すなわち,水素イオン(H+)の占める割合は 大きい 少ない .

2 「糸球体からろ過される不揮発性酸」は通常,尿細管で,水素イオンを 結合 解離 するため, アルカリ性物質 酸性物質  として作用している.

3 アンモニア アンモニウムイオン は通常,尿細管で,水素イオンを 解離 結合 するため, 酸性物質 アルカリ性物質  として作用している.

4 尿細管が分泌した水素イオン(H+)は,尿細管腔中で 

糸球体からろ過される不揮発性酸
アンモニア(NH3)
重炭酸イオン(HCO3-)
アンモニウムイオン(NH4+)
により緩衝されている.

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