8.6.4.2: データの読み方/第2歩/代謝性アシドーシスの種類

代謝性アシドーシスにはH+の増大とHCO3-の減少とが考えられる。
pHの変動H+の変動HCO3-の変動血しょうに最初に起ったと思われることアシドーシス,アルカローシスをもたらす重炭酸緩衝系の動き診断される病態
低下増大低下H+増大H+ + HCO3- → H2CO3 → H2O + CO2代謝性アシドーシス
HCO3-減少H+ + HCO3- ← H2CO3 ← H2O + CO2

たとえば,pH, 7.24 ; HCO3-, 12 mEq/L の血液検査データでは,正常値よりも水素イオン濃度が増大し,重炭酸イオンは減少しています.これは,血しょうにおける重炭酸緩衝系の化学平衡式H+ + HCO3-←→ H2CO3 ←→ H2O + CO2において,最左端にあるH+とHCO3-とが逆の方向に変動しており,血しょうに最初に起こった変化はH+かHCO3-の変動であると思われます.血しょうに最初に起こった変化はH+の増大,ないしHCO3-の減少と考えると説明がつきます.いずれも腎臓の機能不全(前者は糸球体が破壊される腎不全,後者は近位尿細管が障害される尿細管性アシドーシス)によってもたらされたと思われます.さらに,重炭酸緩衝系は前者の場合、H+ + HCO3- → H2CO3 → H2O + CO2の方向に、後者の場合、H+ + HCO3- ← H2CO3 ← H2O + CO2の方向に化学変化が生じたと考えられます.pHの変動は代謝性アシドーシス(による酸血症)とよばれます.

チャレンジクイズ

1 動脈血のpH, 7.24、HCO3-, 12 mEq/L,の血液検査データでは、正常値よりも水素イオン濃度が増大 減少 し、重炭酸イオンは減少 増大 している。これは、血漿における重炭酸緩衝系の化学平衡式H+ + HCO3- ←→ H2CO3 ←→ H2O + CO2において、最左端にあるH+とHCO3-とが同じ 異なる 方向に変動しており、血漿に最初に起こった変化はH+増大 減少 、ないしHCO3-増大 減少 のいずれかが考えられる。前者の場合、重炭酸緩衝系は

H+ + HCO3- ← H2CO3 ← H2O + CO2
H+ + HCO3- → H2CO3 → H2O + CO2
の方向に化学変化が生じたと考えられる。後者の場合、重炭酸緩衝系は
H+ + HCO3- ← H2CO3 ← H2O + CO2
H+ + HCO3- → H2CO3 → H2O + CO2
の方向に化学変化が生じたと考えられる。前者のpHの変動は代謝性 呼吸性 アシドーシス(による酸血症) アルカローシス(によるアルカリ血症) とよばれ、後者のpHの変動は呼吸性 代謝性 アシドーシス(による酸血症) アルカローシス(によるアルカリ血症) とよばれる。

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