4.5.1: 成長ホルモン

生産,分泌

下垂体前葉において生産、内分泌されている。

作用

成長ホルモンの主作用は骨の成長促進である。ただし、成長期が終わるのは成長ホルモンの分泌が停止するためではなく、骨にある受容体が変化するためと考えられている。また、軟部組織を肥厚させる作用もある。

栄養素の代謝に対する影響が知られている。第一にタンパク質の合成が促進される。また、そのエネルギーを供給するため、トリグリセリドが分解され、血中の遊離脂肪酸が増加する。さらに、抗インスリン様作用のため、血糖が上昇する。


分泌調節

成長ホルモンは「濃度重視型調節」を受けている。

分泌調節は下垂体前葉、その2に分類される。すなわち、下垂体前葉からの成長ホルモン分泌は、視床下部から分泌される成長ホルモン放出ホルモン growth hormone-releasing hormone (GRH) によって亢進し、成長ホルモン抑制ホルモン growth hormone-inhibiting hormone (GIH)、別名ソマトスタチン somatostatin、によって低下する。成長ホルモンは視床下部からのGRH分泌に負のフィードバックをかけている。

GRHは睡眠、タンパク食、運動、低血糖、ストレスで分泌が亢進する、その結果、成長ホルモンの分泌も亢進する。GIHは高血糖により分泌が亢進する(糖尿病の患児では身長の伸びが悪いと報告されているSalardi S、Tonioli S、Tassoni P、et al: Growth and growth factors in diabetes mellitus. Arch Dis Child 1987;62:57-62)。

成長ホルモン分泌過剰による疾患

巨人症
先端巨大症:成長ホルモンの血中濃度が高値、糖尿病を併発、軟部組織肥厚による手根管症候群(‘手がしびれる’)、踵骨と足底皮膚面の最短距離が22 mm以上(‘靴が小さくなった’)、骨の変形(前頭洞拡大、下顎骨肥大、手足の末節骨の変形、眉弓上縁肥大)、下垂体腫瘍による変化(両耳側半盲、頭痛)。30%の症例で高プロラクチン血症。

症例検討

32歳女性。頭痛を主訴として受診。眉弓上縁と下顎の突出および手足の肥大をみとめる。血清成長ホルモン濃度 28 ng/ml (正常5以下),血清プロラクチン24 ng/ml (正常4-15)。
診断:先端巨大症

成長ホルモン分泌低下による疾患

成人:特に症状なし
小児:小人症 身長<M-2SD、年間成長<M-1.5SD×2年
均整はとれている
二次性徴(+)、だが遅れることが多い
骨年齢<暦年齢×80%
検査所見:GH分泌刺激試験としてインスリン/アルギニン投与

 

チャレンジクイズ

1 運動、タンパク食、ストレス、などは成長ホルモンの分泌を亢進 抑制 する。

2 成長期が終るのは、成長ホルモンの分泌が停止することによる。正 誤 

3 成長ホルモン、甲状腺ホルモン、性(腺)ホルモンなどは、骨の破壊 形成 を促進する。

4 成長期以降に成長ホルモン分泌が亢進すると、先端巨大症 巨人症 となる。

5 低血糖、運動、睡眠は、成長ホルモンの分泌を亢進 抑制 する。

6 成長ホルモンは、下垂体後葉 視床下部 下垂体前葉 で生産される。

7 成長ホルモンは、下垂体後葉 下垂体前葉 視床下部 で分泌される。

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